これからお祈りにいきます/津村記久子(Kindle Unlimited)

小説(日本)
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一番好きな作家、津村記久子さんの作品がKindle Unlimitedに入りました! やったー!
津村さんの書くものは、芥川賞を獲った『ポトスライムの舟』のように、理不尽な環境で働く女性に、淡々と、でも確かな筆致で、「潰れるな、自分を潰すな」とメッセージを伝えてくれるお仕事小説と、『ウエストウイング』『エヴリシング・フロウズ』のような青春小説があります。

ポトスライムの舟 (講談社文庫)
講談社
¥ 486(2018/10/05 18:30時点)
29歳、工場勤務のナガセは、食い扶持のために、「時間を金で売る」虚しさをやり過ごす日々。ある日、自分の年収と世界一周旅行の費用が同じ一六三万円で、一年分の勤務時間を「世界一周という行為にも換金できる」と気付くが――。ユーモラスで抑制された文章が胸に迫り、働くことを肯定したくなる芥川賞受賞作。
ウエストウイング (朝日文庫)
朝日新聞出版
¥ 972(2018/10/05 18:30時点)
事務職のOL・ネゴロ、20代サラリーマン・フカボリ、進学塾に通う小学生・ヒロシ。 職場、将来、成績と、それぞれに思いわずらう三人が、取り壊しの噂もあるビルのデッド・スペースで、互いの顔も知らぬまま物々交換を始める。ところが、微温的で、しんどい日々から一転、信じられぬ災厄が次から次へと三人に降りかかるのだった。追いつめられ、巻き込まれてなお、最善を尽くそうとする三人の「努力」は実を結ぶのか?
エヴリシング・フロウズ (文春文庫)
文藝春秋
¥ 918(2018/10/05 18:30時点)
中学三年生のヒロシは、背は低め、勉強は苦手。唯一の取り柄の絵を描くことも、最近は情熱を失っている。クラス替えで、気になる女子と同じクラスになったはいいけれど…。自分自身の進路と人生に迷いながらも、仲良くなったクラスメイトたちに起こる事件に立ち向かう。少年の成長の日々を描く傑作青春小説。

この3作は猛烈におすすめなので、Unlimited対象外ですがぜひ読んでいただきたいと思います。氷河期経験者や、ブラック企業に悩まされた人は『ポトスライムの舟』を読むと泣きたくなるだろうし、小中学生の頃にそれほどイケてなかった(みんな自分のことはそう思っているのではないかしら)人は『ウエストウイング』『エヴリシング・フロウズ』に懐かしさと切なさを感じるでしょう。

さて、話が逸れましたが『これからお祈りに行きます』。これは青春小説若干ファンタジーです。
本のタイトルと、収録されている2作品のタイトルは違っていて、2作品に共通するテーマが「大切な人のための祈り」です。祈りを叶えてもらうためには、なにか代償を差し出さなければならないのですが、主人公たちは何も言わずにそれをそっと置いてくるのです。ただ祈ることしかできないけど、あなたの幸せを、黙って遠くから密かに祈っています……。なんて深い、優しい愛情なのでしょうか。思い出すと泣いてしまう。津村さんの作品はみんなそうなんだよ、そっと大きなことを成し遂げる人たちの話なんだよ。読んだあと、少しだけ自分もがんばってみようと思わせてくれるのです。

全力でおすすめです!

これからお祈りにいきます (角川文庫)
KADOKAWA / 角川書店
高校生シゲルの町には、自分の体の「取られたくない」部分を工作して、神様に捧げる奇妙な祭がある。父親は不倫中、弟は不登校、母親とも不仲の閉塞した日常のなか、彼が神様に託したものとは―(「サイガサマのウィッカーマン」)。大切な誰かのために心を込めて祈ることは、こんなにも愛おしい。芥川賞作家が紡ぐ、不器用な私たちのための物語。地球の裏側に思いを馳せる「バイアブランカの地層と少女」を併録。
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